うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『デルスウ・ウザーラ』アルセーニエフ

 著者とロシア兵と、現地人のデルスウは、ロシアの沿海州ウラジオストクの北方を探検する。針葉樹林の山が未開拓のままのこされており、つねに雨と霧にみまわれ、虎や猪、ノロといわれるけものが棲息している。

 「カピタン」アルセーニエフたちは、けわしい道のりを、野営しながらすすんでいく。雨と台風、霧の印象が強くのこった。原住民はたえず中国人におびやかされていた。中国人はおそらく満州人であり、原住民の集落にやってきては略奪したり、作物や家畜を奪ったりする。集落に住まないものたちは猟で生計をたてている。

 本のおわりに、デルスウは視力を失い、獲物を射撃することができなくなる。かれはショックをうけて、魂のぬけたようになる。アルセーニエフはかれをあわれにおもって、町につれていくが、不自由な生活に適応することができなかった。町ではあらゆる自由を拘束されてしまう。デルスウは山林のなかにもどり、ロシア人のどろぼうに殺される。

 川や森のようす、鳥やどうぶつ、虫のうごきがこまかくかかれており、沿海州の風景に心をひかれた。

 

デルスウ・ウザーラ―沿海州探検行 (東洋文庫 (55))

デルスウ・ウザーラ―沿海州探検行 (東洋文庫 (55))