うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『香港発・娘への手紙』邱永漢

  ――いままでパパの周辺で殺された人たちをみると、そのほとんどが「俯仰して天地に愧じず」と考えている人たちです。悪い人が罪に問われたり、ひどい目に遭わされるわけではないのです。そんなことよりも、現在自分がやろうとしていることが、どんな反応をひき起こすかはっきり自覚して慎重に行動することが大切なのです。

 作者が生き延びてきた話をするときがいちばんおもしろい。

 料理については、前に読んだ本にもあったが、むかしからいいものを食べないと味覚が身につかないらしい。衣食住にわたって贅沢をする生活様式はわたしと縁遠いが、こういう生活もあるのか、と感心はする。

 作者がなにで生計をたてているかははっきりしないが、よくこれだけ仕事に奔走できるものだとおもう。自分には、どんなに考えてみても、ここまで贅沢をしたいとか金がほしいという欲求がわいてこない。しかし、金がほし、贅沢をしたい、という人間は多いので、かれらの行動原理を知らないとつぶされてしまう。

香港発・娘への手紙 (中公文庫)

香港発・娘への手紙 (中公文庫)