うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『サーカス物語・ゴッゴローリ伝説』エンデ

 サーカス物語……工場にやとわれている貧乏なサーカス団が、施設建設のために立ち退きを命ぜられた。工場長の温情によって、企業の宣伝に使ってもらえるというが、道化師たちは反対する。

 サーカス団は知恵おくれの女の子を養っていて、この娘が知恵おくれになったのは、工場の汚染ガスが水が原因らしいからだ。一方で、役に立たない知恵おくれをわざわざ食わせる必要はない、工場長の提案通り、宣伝の仕事をして、娘については養護センターに放り出せ、と主張する団員もいる。

 知恵おくれ女は道化師になにかたのしい話をしてくれ、とせがむ。場面がかわり、空想の国での物語がはじまる。姫は不死の命をうしなうかわりに、地上におりて王子と仲良くなる。というような、メルヘン風の話がおわったあと、サーカス団員はみな知恵おくれの少女をかばう気持ちになり、工場長の提案を蹴ってどこかへ出発しようとする。

 

 話の内容にそこまで感心はしないが、空想の国のつくりや、台詞はおもしろいとおもった。前に夢日記に書いたが、「ある国のことさ あたしにさえわからない 昨日はなかったし 今日もないところ ただ明日にのみあるという国だ」ということばに魅力を感じるのはなぜだろうか。

 

 ゴッゴローリ伝説……キリスト教以前の精霊を題材にした話。人身御供の物語のようだが、話がいまいちつかめなかった。精霊への犠牲のために、娘と若者の恋愛が挫折したということはわかった。

エンデ全集〈7〉サーカス物語・ゴッゴローリ伝説

エンデ全集〈7〉サーカス物語・ゴッゴローリ伝説