うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2つの系(2012)

 肩にいくつかのどうぶつが乗っかっているので
 鏡の前に立ってよくみると、鳥類と、ねばねばした
 赤い、または茶色い液状のものだとわかった それらが
 何匹か、床のすきまから入りこんできた
 のではなく、図鑑からでてきた、学名のすがたを
 もってあらわれる
 いきものをかうことはすばらしいことだといわれつづけている
 わたしはねばねばしたかたまりを手のひらで
 ぬぐいとった、だから手のひらはカエルじみたつくりに
 なった
 大きな塔があって、紙のたばを重ねて成り立っていた
 気温が下がり、木が枯れはじめると、雲は泥をふくんだ
 うすくひきのばされたまま動かなくなった
 太陽の影が奥まったところで高速移動する、そのうごきを
 整列したどうぶつの群が、頭部を
 つねに正対させたまま記録する
 きまりになっていた
 口の大きなひとが、信号を出した、すると
 あごがはずれ、金属の音が、鎖のように、一連の
 波長にあわせてとびかい、火がついた
 わたしは大きな塔が燃えて、火の粉に変形して
 雲を追い散らしていくのを確認した、だから
 すべての、もらえるものを粘菌に明け渡した