うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

暗号鳥の処分

 1

 なめし皮を持ったおばあさんが地面を確認し、肩にべろりと皮をかけて、腰を曲げた。おばあさんは手で土と草をかきわけ、異状なしと言った。

 

 2

 青銅ラッパの音が聴こえなくなるところから、月は二重写しになる。月面を指向して、夜、おやすみなさいとあいさつする前の子供たちが懲りずに起きだして、父親と母親、それに100人の兄たちの皮をはぐ。

 

 3

 深夜、霧が消失したところで、高い塔と塔の谷合が一望できるようになった。頭上を人工衛星が通過しようするので、わたしたちは警備員をよこし、止めさせた。かれらは革ジャケットを着用し、その内側に刃物を隠していた。

 暗号鳥は衛星が羽交い絞めをされている現場を尻目に、何事もなく保全された手紙を口にくわえている。