うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『たった一人の30年戦争』小野田寛郎

新聞で連載されていた文章を集めたもの。 作者は徴兵後、予備士官学校を卒業、中国語等の語学力を買われ中野学校二俣分校に入校しゲリコマ戦術を学ぶ。終戦間近にフィリピンのルバング島においてゲリラ戦の指導を命じられた。このときの命令が、絶対に玉砕せ…

「トラフィック」

制作:2000年 監督:スティーブン・ソダーバーグ 麻薬戦争に関わる3つの風景をまとめた映画。 ・メキシコの麻薬組織と警察 ・合衆国の麻薬対策本部長とその家族 ・麻薬マフィアの家族と、マフィアを追う刑事たち 刑事や判事の力が弱く、麻薬の蔓延や、…

『茶道の美学』田中仙翁

茶道における美とは何かという原理を考える本。 冒頭から床の間や内装の細かい美的感覚についての薀蓄が始まる。大まかな歴史に沿って説明されてはいるが、茶道知識のまったくない人間には大変読みにくい。 *** 1 床の間、土壁、茶器を手に取ったときの感触…

『ヒンドゥー教』森本達雄 その2

*** インドの浄・不浄観には、日本をはじめとする他の文化と共通する点もある。 ヒンドゥー教は死、血、屍を特に忌み嫌う。女性に対する蔑視は、生理、月経、出産等の血を伴う現象にも由来するという。 インドにおいて清浄とされるのは水、火、クシャ草、牛…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 11 塔の建設 カメラ・ゲヘナ

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『ヒンドゥー教』森本達雄 その1

ヒンドゥー教について説明する本であり、素人にもわかりやすかった。 ヒンドゥー教は一神教や仏教から見ても異質な面がある。しかし、ヒンドゥーの神々、儀礼、思想等は、日本にも受け継がれている。 七福神の半数はヒンドゥーの神々由来であり、輪廻(サン…

その後の磁場

窓をあけた先に 八方に ひきのばされた わたしの皮フがある。 白色の 弾力のある膜となり 太陽風を受けて 音を鳴らす。 なぜなら、何もないために 振動するからである。 電気の帯が 8の字をなぞって 数字を記録する。 朝、住民が働きにでた後、 わたしは1…

『茶道の歴史』桑田忠親

茶道が時代とともに変化してきた歴史を解説する。 著者は、村田珠光や武野紹鴎、千利休が打ち立てた茶の精神に価値を置く。すなわち、万人を救済する仏の精神に基づき、身分の分け隔てなく茶の道を説くこと、客をもてなす精神をもっとも重要であると考えるこ…

「ドライヴ」

制作:2011年 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン Nicolas Winding Refn 自動車工場で働くかたわら、スタントマンや犯罪者の逃亡手伝いをする運転手の映画。 主役の出自は不明だが、高い戦闘力を持っており、ほとんど銃を使わずに町のチンピラたち…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 10 教育と教化のドクトリン

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『健康帝国ナチス』ロバート・N・プロクター その2

5 ヒトラーはたばことアルコールを拒否し、菜食主義に努めた。ヒムラー、ルドルフ・ヘスも菜食主義者だった。ヒトラー個人の嗜好と党の方針によって、肉食の規制、自然食の推進、人工着色物の規制といった政策がとられた。 また、ドイツ国民がビールにあま…

『健康帝国ナチス』ロバート・N・プロクター その1

原題は「ナチの、ガンとの戦争」The Nazi War on Cancer ナチ党政権時代の医療、健康、福祉政策を検討し、さらに政治と科学の関わりについて考える本。 本書が題材にするのは、断種や人体実験、安楽死等のおぞましい医学ではなく、現代の価値観とも類似して…

『1984』George Orwell

「ビッグ・ブラザー」率いる政府によってコントロールされた全体主義社会を描くディストピア文学。ザミャーチン『われら』等とともに、この種の物語のプロトタイプとなった本である。 (1)窓のない、塔のような建物の中に浮かび上がる「真理省」その他の省…

無職戦闘員の白昼夢 準軍事組織(paramilitary)

無職は、自分が働いている姿を思い浮かべた。 ◆右翼的なオバサン、ジブチに行く 8月某日、ハワイ行き芸能人に似た格好のおばさんがジブチに行くというニュースを観た。 普段、服装容儀や制服のアイロンがけでうるさく言われている作業員たちは、場違いな格…

「NO」

制作:2012年 監督:パブロ・ラライン チリの独裁者ピノチェト信任投票についての映画。画質や撮影はあえて粗雑につくられている。 冷戦が終結し、合衆国の支援を受けていたピノチェトは後ろ盾を失いつつあった。 主人公や、広告会社の仲間たちは、人び…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 9 生命の樹

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『潜入工作員』アーロン・コーエン

イスラエル対テロ特殊部隊工作員の自叙伝。 IDF(Israel Defense force)とその特殊部隊だけでなく、イスラエル社会やユダヤ人、テロリズム等についても書かれており、対テロ政策や軍事政策について考えるきっかけになる。 *** 著者は純粋なイスラエル人…

『アウステルリッツ』ゼーバルト

ジャック・アウステルリッツという建築研究者との交流について。 アウステルリッツは、ヨーロッパ各地の建築や風景についてコメントしつつ、やがて収容所に連れていかれた母親の思い出を語る。 本全体が人物の回想となっており、茫漠とした印象を受ける。 ベ…

無職戦闘員の白昼夢 フセインの首

無職戦闘員は、ふと昔のことをおもいだして、そこでは夢を見ている自分が過去の記憶を思い出そうとしてメモ帳に手入力しているところだった。 無職日記には、わたしの架空の記事が残されている。 ◆フセインの首 イラク戦争に関する大義名分の1つ(大量破壊…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 8 4人の幹部

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「チャイナ・シンドローム」

制作:1979年 監督:ジェームズ・ブリッジズ 原発事故を偶然目撃したアナウンサーと撮影クルーが、事態を隠ぺいしようとする会社と戦う映画。 かなり低予算なのか、画面やセットはチープである。BGMはほとんどない。 しかし、組織の隠ぺい工作や圧力…

黄道と水の道

作業員たちの 人体としてのまとまりがほどけて 輪郭は溶けだし 月を指し示す姿だけが 残された。 それら、失われた歯形のような 人間たちの成分は 水の道を探した。 表皮は、分裂した金星の 姿を映し出す。 かれらの肉と骨、炭素は、水のなかで ぼろぼろと崩…

『全貌ウィキリークス』 その2

6 アメリカ外交公電が公開され、一般には秘匿されていた各国の政治的方針、取引、また米外務省職員による各国首脳の悪口等が曝露された。 また、ヒラリー・クリントンが国連や経済会議の場で盗聴、身辺調査をするよう指令を出していたことも明らかになった…

『全貌ウィキリークス』 その1

内部告発サイトであるウィキリークスと、その創設者ジュリアン・アサンジについての本。 ウィキリークスはサイバー空間におけるセキュリティに対しても影響を与えた。 *** ジュリアン・アサンジの方針 本書から読み取れるのは、アサンジが技術者であるととも…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 7 物見の島で・ドイツ人の人間狩り

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『現代アラブの社会思想』池内恵

アラブ世界に共通するアラブ思想の袋小路について。 1967年、第3次中東戦争の敗北により、パレスチナがイスラエルに占領された。 以後、マルクス主義過激派とイスラーム主義が勃興し、双方ともテロと暴力の温床となった。 現代のイスラーム主義は、終末…

ユーゴスラヴィアから

旧ユーゴスラヴィア3ヶ国に行ったのをきっかけに、改めてボスニア・ヘルツェゴビナ紛争や国連について調べることにした。 以下の本を買ったので、順次読んでいきたい。 ◆ボスニア紛争 ・ユーゴスラヴィア崩壊の歴史 Yugoslavia: Death of a Nation 作者: La…

『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア

タイムスリップ、宇宙人、架空の作家といった道具を使い、第二次大戦における経験を伝える物語。 主人公は自分の半生を次々に移動しながら、ヨーロッパで捕虜となり、ドレスデン空襲を目撃した思い出を語る。 戦時中、人びとはみじめに死んだり、こっけいに…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 6 パノプティコン

たとひわれ死のかげの谷を農王系 第6回 パノプティコン ↓↓↓ http://ncode.syosetu.com/n2907dt/6/ *** たとひわれ死のかげの谷を農王系 http://ncode.syosetu.com/n2907dt/ (『小説家になろう』のサーバに移動します。)

「ブラザーフッド」

制作:2004年 監督:カン・ジェギュ 朝鮮戦争に巻き込まれた兄弟の映画。弟を助けるため戦功をあげようとする兄は戦争マシンになってしまい、やがて弟は兄に反発する。 韓国映画特有の暑苦しい人情劇が特徴的である。 戦闘、郷土防衛隊による赤狩りは迫…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 5 飛行機から庁舎へ

たとひわれ死のかげの谷を農王系 第5回 ↓↓↓ 5 飛行機から庁舎へ http://ncode.syosetu.com/n2907dt/5/ たとひわれ死のかげの谷を農王系 http://ncode.syosetu.com/n2907dt/ (『小説家になろう』のサーバに移動します。)

『暴露:スノーデンが私に託したファイル』グレン・グリーンウォルド その2

――しかし、社会の自由を計るほんとうの尺度は、その社会が反対派やマイノリティをどう扱っているかということにあるのであって、「善良な」信奉者をどう扱っているのかということにあるのではない。……人はただ国家の監視に怯えたくないからといって、権力者…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 4 農王と農王系

第4回 農王と農王系 ↓↓↓ http://ncode.syosetu.com/n2907dt/4/ (『小説家になろう』のサーバに移動します。)

『暴露:スノーデンが私に託したファイル』グレン・グリーンウォルド その1

元NSA(合衆国国家安全保障局)職員のスノーデンが、NSAによる違法な国民監視活動を告発する。 現行憲法は国民のプライバシーを保障しているが、NSAはこれに違反した行為を秘密裏に実施していた。 建前上は、外国諜報活動監視裁判所の許可を得た対…

『エル・アレフ』ボルヘス

歴史、神話、アラビアの哲学や神学を題材にしたボルヘスの短編集。 古代ローマ、中世と舞台は様々である。「円環」と紹介されている通り、無限、時間の繰り返し、ループを適用された話が多い。 「不死の人」は、古代の旅人が不死の人びとを発見し、自らも不…

たとひわれ死のかげの谷を農王系

2017年の新たな目標として、無職戦闘員は、ありあまる時間を使ってフィクション制作を始めました。 ↓↓↓ http://ncode.syosetu.com/n2907dt/ WEB「小説家になろう」に投稿を実施しております。 目下、だれも読んでいません。 「たとひわれ死のかげの谷を…

「殺人の追憶」

制作:2003年 監督:ポン・ジュノ 田舎の中世的な刑事たちと、ソウルからやってきた刑事が協力し、連続強姦殺人事件の犯人を捜す。 寂れた畑と家屋の景色や、そびえたつ工場、色あせた映像にこだわりがある。 田舎刑事は厳しい尋問、拷問で自白させよう…

トーテンコップ地図

わたしは、電話の向こうにいる 人のかたちの時代に 説明することになった。 象の爪と、アンテロープの角からなる 細い小刀を使って 想像上の地図を彫った。 立体の、おぞましい整った様子! 眼球ソケットから手首を差し入れて わたしたちの、大脳の 収容する…

『ルポ 貧困大国アメリカ2』堤未果

オバマが大統領となった時期に出た本。 読んだ印象では前作以上に感情的な本で、アメリカの悲惨な実態が列挙される。 全く知らなかった問題もあるので参考にはなる。 1 公教育 アメリカにおける大学の学費は70年代から上昇していき、現在は大半の学生がロ…

『捜査心理学』渡辺昭一

警察庁の付属機関である科学警察研究所犯罪行動科学部の成果をまとめた本。捜査心理学、行動科学の基礎的な入門書だという。 *** 序章 犯罪捜査は、情報収集、捜査推論、捜査活動実施からなる。犯罪捜査を支援するために、近年、捜査心理学の重要性は高まっ…

『ブロディーの報告書』ボルヘス

ボルヘスの晩年の短編集。 『伝奇集』のなかの「南部」を連想させる、ガウチョや無法者たちの物語が多い。 なぜ日本語がとても読みにくいのかがわからなかった。 「じゃま者」 仲の良い無法者兄弟の話。 「卑劣な男」 無法者と、かれに気に入られた少年との…

『ドリナの橋』に興味を持った

スロヴェニア、クロアチア、ボスニアに旅行に行ってきました。 バルカン半島の冬は大変寒かったですが、世界遺産や内戦関係の史跡を回ることができました。 ◆メモ ・スロヴェニア 最大都市の首都リュブリャナも人口28万人程度であり、列車からの風景ものど…

モノクルをかざして

ひっそりと 道路の下に隠れた 昼間の影を追って わたしはガス灯と ガス灯のあいだをわたった。 標識の下には うすぼんやりと、口をあける 青ナイルの支流があった。 水飴のような川の水を かがみこんでなめる わたしの名の1つ下にある 行政的な者。 黒は義…

「菊次郎の夏」

制作:1999年 監督:北野武 子供が離別した母親の家に行くのでビートたけしは付き添いをする。 登場するのは、皆まっとうとは言えない生き方の人びとである。しかし、かれらも人間的なおもいやりを持っている。 たけし子飼いの芸人たちによるネタがおも…

2016年の本と映画

今年読んでおもしろかった本と映画について。 ◆本 『Diplomacy』Kissinger 国際政治における理想主義と現実主義の変遷をたどる。著者はニクソン時代の大統領補佐官であり、特に本人の関わる時代(ベトナム戦争等)については、視点の1つであることに注意す…

『Ordinary Men』Christopher R Browning その3

14 ポーランド・ルブリン地区のゲットーが解体され、ユダヤ人の大半がトレブリンカに移送されてからは、森や集落にひそむ「ユダヤ人狩り」が大隊の業務となった。かれらは再びユダヤ人個人と対面しての殺人行為をしなければならなかった。 15 1943年…

『Ordinary Men』Christopher R Browning その2

6 ◆ラインハルト作戦 1941年、ヒムラーはロシア・ユダヤ人と同様、ヨーロッパのユダヤ人も絶滅させるよう指示した。射殺は現場隊員の精神的負担が大きいため、新しい方法として絶滅収容所が考案された。 オディロ・グロボクニクはオーストリア出身の親…

『Ordinary Men』Christopher R Browning その1

ポーランドでユダヤ人殺害を実行した第101警察予備大隊について書かれた本。 当該大隊については、他の移動殺人部隊と異なり、所属隊員のリスト、証言、詳細な裁判記録が残されていた。 調査の過程で、「ホロコーストは多くの人間が多くの人間を殺害する…

『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果

米国の貧困状況や社会問題を紹介する本(2008年)。 見習うべきでない政策・事例が多数ある。 サブプライムローンは、低所得者層に高利率で住宅ローンを貸し付けるビジネスである。当時、このローンを十分な知識がないまま契約させられ、破綻する移民や…

「メランコリア」

制作:2011年 監督:ラース・フォン・トリアー 地球への惑星衝突をテーマにした映画。 精神疾患のある花嫁が、自分の結婚式をぶち壊し夫と破局する劇が第1部、地球の滅亡を受け入れる人びとの様子が第2部。 第1部の悲劇の結婚式は非常におもしろい。…