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うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『黒いスイス』福原直樹

一般的に知られていないスイスの歴史や社会を紹介する。 焦点は、スイス社会の閉鎖性と、第2次世界大戦を生き延びるためにどのような方策をとったかとにあてられている。 1 政府は優生学に基づき1920年代から70年代まで、ロマ族の子供を誘拐し施設に…

『The Israel lobby and U.S. foreign policy』John Mearsheimer, Stephen M. Walt その2

2部 ロビー活動 イスラエルロビーは、合衆国のイスラエル支援を維持させることと、中東のバランスをイスラエルに有利な方向に変えさせることを目標としている。かれらは、イスラエルと合衆国の国益が同一であり同様であると主張する。 著者は、このような動…

『The Israel lobby and U.S. foreign policy』John Mearsheimer, Stephen M. Walt その1

合衆国政治に影響力を持つイスラエル・ロビーについての本。事前知識のない私でも理解しやすく書かれていた。 2人の著者はどちらも合衆国の国際政治学者である。 ロビーの概要について検討した後、どのように対処することが合衆国にとって適切なのかを考え…

『Hitler and Stalin』Alan Bullock その2

11 総統国家 ヒトラー政治の特徴……法律および官僚制への軽蔑、部下たちの対立内紛を温存し、自らの権力に依存させる方針、既存の統治基盤や経済構造の利用。 4か年計画……4年以内に軍と経済を戦争遂行可能状態にするというもの。ヒトラーの大原則はドイツ…

『Hitler and Stalin』Alan Bullock その1

ヒトラーとスターリンの対比列伝。2人の独裁者を比較することにより、ナチ党ドイツとスターリン下のソ連の政治体制を違いを検討する。 両者は、共通する点もあれば異なる点もある。どちらも、急激な社会の変化がなければ、ここまで甚大な影響を持つ地位は得…

『中国人民解放軍』矢吹晋

5、6年間本棚に埋もれていた。1996年出版とだいぶ古いので現状と異なる箇所(特に部隊編制等)もある。 著者は他に『トウ小平』等の著作がある。 *** 「党から軍が生まれ、銃口から政権が生まれる」 本書の目的……解放軍の成立、党と軍の関係、組織編制…

『華僑』游仲勲

華僑についての概要を解説する本。1990年に書かれたので内容は相当古い。 1 中国人の海外移住 中国人は大陸民族であり常に移動していた。大規模な人口流出はアヘン戦争後からで、特に広東省、福建省から多くの中国人が労働力として東南アジア、新大陸等…

『経済学の歴史』根井雅弘

近代の経済学の変遷について紹介する本。旅行中に読んだのでメモがどこかにいってしまった。 ――経済学の歴史を学ぶ理由のひとつは、私見によれば、現代経済学の背後に隠されている古の哲学や思想の痕跡を再発見し、現代理論を妄信する危険性を防ぐことにある…

『Weapons and Warfare in Renaissance Europe』Bert S. Hall

ルネサンス期における戦争方法の変遷を、とくに火薬に焦点をあてて論じる。 あらゆる時代を通して、戦争に用いられる技術については、古いものと新しいものが併用されている。 西洋の騎士は剣による戦いを好んだが、必ずしも彼らが伝統墨守に固まっていたと…

『宇垣一成』渡辺行男

宇垣一成についての概説本。 2・26事件以降も、宇垣はたびたび後継首班候補に指名された。これは軍縮と近代化を達成したかれの業績と、「陸軍を抑える」ことを期待してのことだった。 宇垣が清浦内閣の陸相に就任したとき、陸軍は薩摩系の上原勇作率いる上…

『知られざるスターリン』メドヴェージェフ

……体制変革を経て公開されるようになったソ連時代のアルヒーフ(文書)をもとに、これまで知られなかったスターリンのさまざまな言行を明らかにする。 内容として、スターリンの死、スターリンの後継者選び、スターリンの個人文書、スターリン批判の前後、ス…

『古代インドの文明と社会』山崎元一

古代インドの要素は今もなお残っているため、古代インドを理解することが、現代インドの理解にもつながる。 王朝の変遷は複雑で、人名も覚えにくい。 *** インド亜大陸は中央のヴィンディヤー山脈を境に南北に分かれ、北においては西のインダス河流域と東の…

『戊辰戦争』佐々木克

鳥羽伏見戦争から函館戦争の終結までを時系列に沿って記述する。 明治維新の時点ですでに天皇が政治の道具、「物体」のような扱いを受けていることに注目すべきである。薩長側は天皇を正統性を付与するものとしてたくみに利用しようと試みた。 明治維新が2…

『ミグ25事件の真相』大小田八尋

1976年のミグ25事件について、当事者によって書かれた本。 「本書は、二四年有余も封印されていた「事実上の防衛出動」の実態を、法務官の目を通し、陸上自衛隊を中心に描いたものである」。 *** 一九七六年、函館空港にソ連戦闘機ミグ25が強行着陸…

『誓い』ハッサン・バイエフ

――殺戮の脅威や長年の戦争によって、わたしたちチェチェン人は、人間的感情の表出が敵の眼に弱さと見られることを恐れて、できるだけ自分の感情を隠すように条件づけられてしまった。 *** チェチェン人ハッサン・バイエフの自伝。 医者になり、チェチェン戦…

『Mohammed and Charlemagne』Henri Pirenne

イスラム帝国の成立が、ヨーロッパ世界を誕生させたと主張する本。著者のアンリ・ピレンヌはベルギーの歴史家で、本書は死後の1937年に刊行されたとのこと。 「ムハンマドなくしてシャルルマーニュなし」という命題が、マルク・ブロックらアナール学派に…

『スカルノとスハルト』白石隆

インドネシア初代大統領スカルノと2代大統領スハルトの伝記。 著者によれば、スカルノは貴族の子であり、ロマン主義者である。一方、スハルトは小役人の子であり、現実主義者である。 *** 1 スカルノはオランダ東インド統治下、ジャワ島スラバヤで生まれた…

『地図の歴史』織田武雄

地図は文字よりも古く、その当時の人間の世界観をよく表している。本書は古代から近代までの地図の発展をたどる。 *** 地図は未開民族の間でもつくられていた。 古代……初期ギリシア人は、世界は平面であり、オケアノスという海に囲まれていると考えた。 アレ…

『暗号を盗んだ男たち』桧山良昭

日本における軍事暗号利用の歴史を辿る本。一部、脚色があるという。 暗号技術の発展により危機感を抱いた日本陸軍は、第1次大戦後誕生したポーランドから将校を招き暗号の基礎を学んだ。この将校の教え子たちが後の日本陸軍暗号の基礎を作り上げた。 参謀…

『フランス植民地主義の歴史』平野千果子

フランスは広大な植民地を保有していた国であり、その影響は今でも残っている。「文明化」をキーワードとして、フランスの植民地主義の歴史を分析する。 具体的な征服の行程よりも、当時の思潮や思想傾向の把握に重点を置いている。 植民地の歴史は、16世…

『ローマの歴史』モンタネッリ

本書の目的はわかりやすいローマの歴史を書くことである。 ローマ史にはギボン、モムゼン等有名なものがたくさんあるが、価格ではこの本が一番安い(1冊なので当然だが)。 *** ロムルスとレムスは都市の礎を建てるが、兄弟げんかからロムルスは兄レムスを…

『虚飾の帝国』デヴィッド・キャナダイン

本書の目的……イギリスとその帝国が間違いなく形成する「全体的な相互システム」として、両者の歴史に取り組むこと。同時に、イギリス帝国の社会のつくりを提示すること。 イギリス帝国は、「イギリスの社会構造を世界の最果てまで拡大しようとした原動力だっ…

『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』戸部良一

本書の目的:日中戦争・太平洋戦争における日本軍の作戦失敗例からその組織的欠陥や特性を析出し、組織としての日本軍の失敗にこめられたメッセージを現代的に解読すること。 *** 1 ノモンハン 作戦目的があいまい、中央と現地との連携不足、情報不足、精神…

『ハルツームのゴードン』W・S・ブラント

チャールズ・ゴードン将軍はイギリスの軍人であり、太平天国の乱のとき、中国人傭兵からなる「常勝軍」を率いて活躍した。その後、1885年、マフディー叛乱鎮圧の際包囲されて死亡した。 ゴードンに関する本は、日本語では本書くらいしか出ていないようだ…

『蝦夷と東北戦争』鈴木拓也

奈良時代前半から光仁天皇、桓武天皇治世にかけての蝦夷との戦争を淡々と説明する本。 律令国家成立後、九州の隼人と東北の蝦夷は王朝に従わぬ分子として問題視されていた。蝦夷の反乱が始まると朝廷は彼らの「王化」のための政策を実行する。 ――「征夷」と…

『動物たちの日本史』中村禎里

日本人が動物をどのようにとらえてきたのか、日本人の動物観をたどる。 古来より日本人とかかわりの深い動物はヘビ、キツネ、ウマ、ウシ、サル、タヌキ、等である。 神にかかわりがあるとされた動物については、ヘビが最も古く、やがて1000年前後にキツ…

『関ヶ原合戦と大坂の陣』笠谷和比古

関ヶ原の合戦以後も徳川方の領地は全国の3分の1にとどまり、京都以西は旧族系または豊臣系外様が占めていた。関ヶ原合戦は徳川体制の盤石の基ではない。 合戦は豊臣体制内部の分裂により生じた。それは以下のとおり。 1 正室北の政所と秀頼生母淀殿との対…

『黒社会 中国を揺るがす組織犯罪』何頻・王兆軍

――中国語の「黒」という言葉には「秘密」「邪悪」「非合法」「非公然」という匂いが強い。「黒社会」という単語そのものは、英語のアンダーワールド・ソサエティから来たものだ。……本書で述べる「黒社会」とは、凝集性、職業性、隠ぺい性などの特徴を帯びた…

『サンディーノ戦記』高橋均

1920年代のニカラグアで行われた戦争について。ヨーロッパに対しては距離を置いていた印象のある合衆国だが、アメリカ大陸では積極的に活動を行っていた。 中央アメリカ共和国は19世紀、メキシコの独立に乗じてスペインからの独立を果たす。当初はメキ…

『インドネシアから考える』白石隆

1965年~1966年にかけてのインドネシア共産党員虐殺を指揮したのが、当時政権を掌握したスハルトだった。この事件は映画「アクト・オブ・キリング」の題材にもなった。 本書はスハルトの統治と経済政策を概説し、また97年アジア経済危機によるスハ…

『中国革命の起源1915-1949』ルシアン・ビアンコ

中華人民共和国成立の経緯を研究する。 1 アヘン戦争により清朝は打撃を受け、反王朝を掲げる太平天国の乱がおこった。日清戦争ではさらに義和団の乱が発生した。孫文は革命運動を進め、1910年、清王朝が消滅し中華民国が成立した。しかし、革命勢力に…

『A history of modern Israel』Colin Shindler

イスラエルは建国から60年ほどを経て驚くべき成功を収めたが、いまだに多くの問題を抱えている。著者は具体例として軍事力への依存、汚職、貧富の差、宗教主義と世俗主義の対立、そしてパレスチナ問題等をあげる。 本書はイスラエルのたどった歴史を説明す…

『若き将軍の朝鮮戦争』白善ヨップ

韓国軍人が書いた自伝で、朝鮮戦争期の韓国軍について知ることができる。また、著者は植民地時代には日本軍人として勤務しているため、当時の日本、日本軍の様子についても言及されている。 韓国も合衆国との複雑な関係に悩まされている国であり、日本の歴史…

『中世都市と暴力』ニコル・ゴンティエ

西ヨーロッパにおける、陰惨な中世都市の生活や社会を知ることができる。 中世人は、この本だけを読めば、常に派閥をつくり、抗争し、殺しあいを繰り返していたような印象を受ける。『中世の秋』や『ドン・キホーテ』を読んで感じるのは、中世の人間は今より…

『現人神の創作者たち』山本七平

江戸時代の朱子学を参考に、尊王思想の起源を探求する本。かなり専門的な分野なので事前知識はなかったが説明はわかりやすかった。 *** 尊王思想は朱舜水という中国人がもたらし、徳川幕府が官学として結実させた思想のひとつである。尊王思想は日本史におい…

『海と帝国』上田信

目的……ブローデルの「海の歴史」と、ウォーラーステイン「世界システム論」という歴史学の潮流を踏まえ、中国史の見直しを図るものである。 元、明、清の3王朝を貿易と経済の観点から考える。 ――帝国と海との関係に着目することで、海を通じて中国と結ばれ…

『古代文字の解読』高津春繁

現在使われている漢字以外のすべての文字はセム系の1音1文字主義を起源に持つ。アルファベットが普及する過程で古代文字は忘れられていった。 本書はシュメール・アッカド系の楔形文字とミケナイ・ヒッタイトの特殊文字の解読の歴史を伝えるものである。 *…

『共産主義後の世界』スキデルスキー

イギリスのケインズ研究者による「集産主義」の歴史。 集産主義とは「経済的、社会的目標を達成するために国家の権力を意図的、体系的に用いること」を意味する。集産主義の概念は幅広く、社会主義からファシズム、開発独裁、共産主義までをも含む。 集産主…

『韓国現代史』文京洙

目的……特に下からの運動及び周縁の動きに注意しつつ韓国現代史を概説するもの。 序章 韓国は日本以上に同質の社会だが、地域主義もまた根強い。韓国には全羅、慶尚、忠清、京畿、江原といった各道があり、中でも全羅道(湖南)は差別を受ける傾向にある。政…

『戦争請負会社』P・W・シンガー

民間軍事会社について解説する有名な本。戦争の歴史を古代からたどることで、戦争と私企業との長い関係を明らかにする。 メモを見直して気付いたこと……本書に登場する「エグゼクティブ・アウトカムズ社」はダイヤモンド紛争を題材にした映画「ブラッド・ダイ…

『異端審問』ギー・テスタス、ジャン・テスタス

映画『薔薇の名前』(ウンベルト・エーコ原作)において、異端審問の場面が登場したのをきっかけに読んだ本。 訳者まえがきから……「Inquisition 異端審問をおそろしい集団的・組織的思い上がりの歴史として、人間の弱さの歴史として、この事実を受けとめたい…

『守護聖者―人になれなかった神々』植田重雄

キリスト教は一神教といわれるが、民間では聖人信仰が盛んだった。メキシコに行ったときはいたるところにマリアの図像があり感心した。 本書は守護聖者たちの簡単な説明と、各聖者にまつわる逸話、聖者に由来する風習や文化を紹介する。 『ジャン・クリスト…

『戦争論』多木浩二

近代において国家がいかに戦争を作り出してきたかを検討する。戦争についての見方の1つを提供するものである。 著者の専門は芸術・哲学であり、ベンヤミン等の哲学者からの引用が多い。 人道的介入が正しいのかそうでないのか、理に適っているのかそうでな…

『A Pretext for War』James Bamford

著者は『パズル・パレス』、『すべては傍受されている』等、NSA(国家安全保障局)に関する本で有名。 本書の副題は「9.11、イラク、そしてアメリカ情報機関の悪弊」。 冷戦構造から抜け出せず、イスラム過激派ネットワークを捕捉できなかった情報機関(…

『近代医学の建設者』メチニコフ

近代医学、とくに伝染病とのたたかいに貢献した3人の医学者、パスツール、リスター、コッホの伝記。 はじめに、1850年代の医学の状況が説明される。クリミア戦争においては、特に、戦死よりも病死が多かった。このときの伝染病と傷口腐敗のようすは陰惨…

『毒ガス開発の父ハーバー』宮田親平

フリッツ・ハーバーは空中窒素固定法及び毒ガスの発明者として名高い。彼は日本とも親交があり、来日の際には大きな話題となった。 ビスマルクによるドイツ統一後、ユダヤ人に課せられた制限が徐々に撤廃されていき、ユダヤ系の資本家、実業家が台頭した。 …

『中世ヨーロッパの城の生活』ジョゼフ・ギース

「城づくりはどのようにはじまったのか、城の歴史的役割とは何か、城が最盛期を迎えた13世紀に城の中ではどのような暮らしが営まれていたのか――これが本書のテーマである」。 ――城主の一家は、大広間の上座、すなわち出入り口とは正反対の、奥まったところ…

『世界の潜水艦』坂本明

潜水艦の構造、各国の運用制度、歴史等を概説する本。 潜水艦の誕生は米独立戦争における1人乗りのタートル号とされ、その後改良発展していった。 潜水艦乗組員、潜水艦長は海軍の中でもエリートであり、様々な技術を習得し、精神力を鍛えなければならない…

『アメリカ海兵隊』野中郁次郎

海兵隊の成り立ちから、変遷、組織としての特徴までを解説する本。太平洋戦争の戦史部分が多すぎて、どこかから抜き書きしてきたかのようだ。 海兵隊はアメリカ独立戦争時に創設された。イギリス海軍にならって、特に理念もなくつくられたため、当初は、海軍…

『ひらがなでよめばわかる日本語』中西進

漢から輸入される以前の「やまとことば」を手掛かりに「基本の日本語を観察し、そのことで日本人の思考や感情の根本のところを見きわめようと」する本。 普段使われているやまとことばにどのような役割、由来があるかについて説明される。 項目は以下のとお…