うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-06-13から1日間の記事一覧

『ゴットフリート・ベン著作集2』 その3

文学は生を改善すべきか 表題のようなことがよく叫ばれるが生活水準の改善という点から見れば国会議員や経済学や技術、医学などが十分やってくれているから文学の入る余地はない。そもそも文学とは……「今日もはや吟遊詩人は存在しないし、現にこのわたしども…

『ゴットフリート・ベン著作集2』 その2

抒情詩の諸問題 抒情詩についてのさまざまな話題。季節や風景を歌った詩は「私たち本当は歯牙にもかけません」。近代では小説と詩をどちらもやるものがいなかった。小説家はどうしても叙述、逸話をもとめてしまう。 ネルヴァルからはじまる表現芸術の根幹た…

『ゴットフリート・ベン著作集2』 その1

文学論 詩の問題性 科学万能の時代に詩の必要はあるのかという疑問が多数の人間によって投げかけられた。ベンの世紀、物理学者とともに双璧をなすのが人類学者である。詩人と時代というのがはやりの形式である。 ――時代とは何か? 時代が我々に口をきいたか…