うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-06-12から1日間の記事一覧

『ゴットフリート・ベン著作集1』 その6

第五章 文学的なこと 現象学的小説。音の排列による完璧な芸術をはじめに提唱したのがパスカルであり結実させたのがフロベールである。 「サンスクリットの研究者の食卓でのそぶりで、その象形文字を見てとらねばならぬのか、また実存主義者はその哲学のため…

『ゴットフリート・ベン著作集1』 その5

第二部 二重生活 第一章 過去の影 ヒトラーが政権をとったときに亡命した人間の大半はただ個人的な危険を避けてそうしたのだった。それもロシアとは異なり直接処刑の危険にさらされたわけではない。ドイツ亡命者は「むしろ逆に、ロシアの亡命者たちを追い出…

『ゴットフリート・ベン著作集1』 その4

◆自伝 ベンの誕生から、詩人としての活動、ナチ党政権下での生活まで。特にヒトラー政権下での風景は笑える場面が多い。 二重生活 ――二つの自伝的試み―― 第一部 一人の主知主義者の半生 自らのもつドイツ精神の特質とはなにか。 「生まれながらに独特の精神…

『ゴットフリート・ベン著作集1』 その3

芸術と第三帝国 ワイマール朝は「奢侈と享楽の時代」だった。第三階級の力は頂点に達した。実証主義的世界像に亀裂が生じ、陶酔や精神病や芸術が「生物学的劣性」としてくくられる。 ――月の世界以前の人間が視野に歩み出てくる。彼と共に地質学上の天変地異…

『ゴットフリート・ベン著作集1』 その2

ニヒリズムの次に来るもの 「漸層的脳髄進化現象」とはどういう現象か。 ――著者は自問する、すべてを科学的に定義して行こうとする世界像に対して、われわれは今なお、創造的自由をもつ自我を主張しうるのか、と。 「構成的精神」とは一切の唯物的思想から解…

『ゴットフリート・ベン著作集1』 その1

ゴットフリート・ベンは、戦間期から戦後にかけて活動した詩人である。ドイツ語が読めないので翻訳でしか触れていないが、表現主義に影響を与えた言葉の用法に大きな衝撃を受けた。 また、ナチ党の台頭にともない多くの文学者、詩人が亡命する中、かれは軍医…