うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-04-02から1日間の記事一覧

加速の環、顔面(2012)

顔のでっぱりとへこみにたいして防護液をつけた、その番号のなかにはなめらかな素材でできたカード型のかぎがあり、さしこむと 古い城のあと、むかしの人間が濠をつくって、矢倉をたてた丘に入ることができる、わたしは、立体的な生首が「入城」ということば…

きれいな子供が声のなかにだけいる(2012)

うさぎの環のなかをくぐる、海岸の、細かい粒状の砂を足のうらからくるぶしまでとりつけた、幼い男の子の、タイヤじみたうごき レントゲン技師が紙ぺらをよこし、わたしのすがたかたちは黒い図像となってうかびあがる。 幼い、ぜんぶの人のおもいでによって…

『野呂邦暢・長谷川修往復書簡集』

ボルヘス『不死の人』を二人とも評価している。リアリズム、日記文学からの解放を目指していたようだ。 芥川賞が文学を志す人間の登竜門であり、原稿料で生活することで作家になれる、また書き手に不足している時代だった。 リアリズム・私小説派と反リアリ…