うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-03-21から1日間の記事一覧

古い壁実験(2012)

次のとおりわたしは教わった、かれが、太陽光線のつくる 白い束、焼けただれたカーテンと、断熱材の壁の表皮をたばねる 総経理になると、さまざまなどうぶつの うごきをまかされた 朝、おきると自分のからだは これまでにかれに対してあびせられた 高慢なこ…

『大本営参謀の情報戦記』堀栄三

戦前まで日本最大の官僚組織であった日本陸軍において、著者は情報を担当した。本書はその記録である。一人称が自分の名字なのは軍隊の慣習なのだろうか。 情報分析の本質・手法についての考察を織り交ぜつつ、著者の大本営での勤務の様子と、組織の実態が明…

『火の記憶Ⅰ 誕生』エドゥアルド・ガレアーノ

インディオの創世神話には、罰と制約の概念が頻繁にあらわれる。神は完全な世界を司り、ほかのものが自らに伍しようとするのを許さない。こうして傲慢な動物はこらしめられ、その特徴をからだに刻まれる。うさぎは耳をつかんで放り落とされ、コウモリは羽を…

『ブッダのことば スッタニパータ』

反復が多用される。いっさいの執着を絶つことを何度も強調する。 修行者は肉体を嫌悪する。 ――身体は、骨と筋によってつながれ、深皮と肉とで塗られ、表皮に覆われていて、ありのままに見られることがない……人間のこの身体は、不浄で、悪臭を放ち、(花や香…