2015-03-16から1日間の記事一覧
戦時外交 第一次大戦では、三国協商も同盟国も、どちらも聖戦を唱えた。ドイツは特に戦争目的に欠けていた。この目的欠如は結局終戦までつづいた。協商にとって、戦争は実際にはドイツの勢力拡大阻止を意味していた。 まもなくイタリアが協商側として参戦し…
「世界政策」の時代 列強は本格的に海外進出に乗り出す。ホーエンローエ内閣の外相ビューローは、ドイツの「世界政策」への転換を示す象徴である。英、独、露は極東、とくに中国に注目する。 一八九九年、イギリスはボーア戦争をはじめる。この際列強はみな…
フランスの孤立 ルクセンブルクをめぐってフランスとプロイセンが対立する。ナポレオンはプロイセンとの対立を望まなかったが、世論はナポレオンがルクセンブルクを手に入れてくれるだろうと期待していたので、皇帝は矛を向けざるをえなくなった。フランスは…
平沼騏一郎ではないが、複雑怪奇な陣取りゲームで、すべての国家の動向を把握するのは自分には不可能だった。 *** 本書のテーマとなる1848年から1918年の七十年間は、経済や外交といった非軍事力によってヨーロッパの列強が争った時代であり、またヨーロッパ…