うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-03-07から1日間の記事一覧

『クオ・ワディス』シェンキエーヴィチ

善悪には拘泥しないが審美眼だけはもっていると自負する男ペトロニウスと、知識だけは豊富で心性のいやしいキロンは、おそらく表裏一体の存在である。ウィニキウスの指令によってキロンはキリスト教徒のなかに潜入するが、ウィニキウスはこの信仰に心を動か…

『内なる私』グレアム・グリーン

逃げ込んできた男アンドルーズを、なぜかエリザベスは受け入れる。彼女も森の中の家でさびしく暮らしており、直前に唯一の同居人である叔父をなくしたのだった。処女作のせいか、設定はずいぶん都合がいい。 密貿易集団に所属していたアンドルーズは、密告を…

『瀬島龍三』保阪正康

瀬島龍三は陸軍大学校を出て大本営参謀を勤めたあと、関東軍に送られ終戦を迎え、シベリアに十年間抑留された後伊藤忠商事で働き、晩年は中曽根内閣のもとで臨調のメンバーの一員となった。 瀬島に関するほかの本を読んだことがないのでなんともいえないが、…