うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-02-11から1日間の記事一覧

『ヨーロッパ文学批評』E・R・クルティウス

文学批評といっても、現代の論文作法にのっとったものではない。古典研究者であるクルティウスはまず古典古代に価値を見出し、現代をあわただしい不毛の時代と考える。 ある視点から見ることでも批評はおこなわれる。 *** ウェルギリウスは永遠の転変を描い…

柱から出てきた人間(2011)

ある日、夢を見なかった 細かい空中線たちの祈りが 聴こえる 白く腐ったサンゴの水たまりの上で 夏の踊りを踊る 星をつけたノイローゼの豚 うすむらさきの湿原にはソテツが立っている ソテツは銅製なのでわたしたちは伝送されて いつか夢のなかみをとりだし…

今日のスペイン語 その3

単語 ¿Verdad?,~ですね? derecho, 法律 madrileño, マドリッドの espléndida すばらしい gusto 喜び、好み ahora 今 cocina kitchen permiso permission con permiso 失礼します ■soy 本来的な性質、~である soy eres es somos sois son 職業、国籍、身分…

『海の帝国』白石隆

アジア地域秩序の担い手は、中国から英国、英国から日本へとかわってきた。帝国主義の時代から現在にいたるまでのアジアを、地域秩序という枠組みから論ずる。 この地域とイギリスの交流史については、ほとんど事前知識をもっていないのでていねいに読むべき…

『マンキュー経済学 ミクロ編』マンキュー

大学にいたときに適当に読んだだけで、しかも途中で投げ出した。 *** 1 十大原理 「効率efficiencyは経済のパイの大きさについての基準であり、衡平equityは経済のパイの分け方についての基準である」。 効率と衡平はしばしば衝突する(trade off にある)…

『ある男の聖書』高行健

過去の自分すなわち「彼」のおもいでと、今現在の「おまえ」を交互に並べることで対比させ、自由の象徴として性描写を繰り返しているだけではないかと感じた。 文革当時は恋愛もまた政治闘争によって制限されていたので、この語り手にとってはそれが抑圧迫害…

『文化果つるところ』コンラッド

『ロード・ジム』もそうだったが、蛮人の女にひかれて見境がつかなくなる、という心理が理解できない。 話の筋は以下の通りである。 ウィレムスという貿易会社に勤める男は一時期取引を成功させて権勢をふるうが、横領がばれてクビになる。彼の育ての親だっ…

『支那革命外史』北一輝

本書は「清末革命の前後にわたる理論的解説と革命支那の今後に対する指導的論議である。同時に支那の革命と平行して日本の対支策および対世界策の革命的一変を討論力説してある。すなわち「革命支那」と「革命的対外策」という二個の論題を一個不可分的に論…

『中国の旅、食もまた楽し』邱永漢

大陸の中華料理にこだわったエッセイで、自分のいってきた場所も紹介されている。ウルムチ、トルファンあたりの観光ルートはわれわれが行ったのとそっくりそのままで、あれほどの僻地においても観光業が確立しているのだとおどろかされた。 香港は邱永漢によ…