うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-02-03から1日間の記事一覧

『東京裁判』日暮吉延

東京裁判、ニュルンベルク裁判ともに「敗戦国の指導者個人を国際裁判にかけて国際法上の刑事責任を問うという先例なき戦後処理」である。 東京裁判には、「文明の裁き」と「勝者の裁き」という二つの側面がある。つまり道徳的要素と権力的要素が備わっている…

『Donoso Cortes』R.A.Herrera

ドノーソ・コルテスは熱心な宗教家であり、また、時代のなかでもっともすぐれた政治理論家だった。しかし、当時から、現在にいたるまで毀誉褒貶の激しい人物である。 彼は、当時隆盛を誇っていた合理主義と社会主義を断固として否定し、宗教……原罪sinと恩寵p…

『中国の嘘』何清漣

中国には厳しい情報統制が敷かれており、中国のメディアは党中央のプロパガンダ・マシーンである。 われわれは、中国の外側において培った常識を基点に、中国政府の「言葉」ではなく、「行動」を観察しなければならない。たとえば、中国ニュースは基本的にマ…

『中国の闇』何清漣

『中国の嘘』につづく本書では、とくに中国の黒社会について論じる。 黒社会は共産政権誕生後一時なりをひそめたが、改革開放期にふたたび発生した。八〇年代、九〇年代と組織は巨大化し、業務は広範に及ぶようになり、二〇〇〇年代になると、政府と黒社会が…

『Totalitarian and authoritarian regimes』Juan J. Linz

すこし考えれば当たり前のことだが、ファシズムという現象が自然科学の法則のように確固として存在するわけではない。全体主義、ファシズム、権威主義、ポスト全体主義と、政治体制をとらえる言葉はたくさんあるが、どう分類するかという問題である。 冒頭の…