うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-01-15から1日間の記事一覧

27.1.15

◆最近の個人時間について 糞ポエムやその他糞文章を作成してうんざりする作業がおっくうなので、準備運動として昔の日記を発掘し、読書感想文だけをコピペするといううごきをくりかえした。 気がすんだら相変わらず進歩のない文言を垂れ流す。 ◆最近の労働傾…

鉄の睡眠(2011)

ある、きめられた周期で白い 金属の網に浮いた 錆をけずりとるようにたのまれた そのときはわたしの からだの各関節の位置、すこし 骨ばっている、寒さでかわいた 皮フにぴったりと沿うように 銃剣の先をあてられたので、作業を はじめると申告してから とり…

『西洋法制史』勝田有恒・森征一・山内進

古代から現代までの、ヨーロッパ、とくに大陸における法制度のうごきを説明する本。大陸部についてくわしくかかれており、イギリスについては付属としてふれられている程度である。 まず、西洋における法の特性が延べられる。「第一に、ヨーロッパ法は一貫し…

『サーカス物語・ゴッゴローリ伝説』エンデ

サーカス物語……工場にやとわれている貧乏なサーカス団が、施設建設のために立ち退きを命ぜられた。工場長の温情によって、企業の宣伝に使ってもらえるというが、道化師たちは反対する。 サーカス団は知恵おくれの女の子を養っていて、この娘が知恵おくれにな…

『ロシアとソ連邦』外川継男

ロシアの歴史を紀元前からソ連崩壊直前までたどる本。日本との国交については、別個でくわしく説明している。ロシア革命からソ連にかけての歴史はこれまでにいくつか読んだことがあるが、ロシア帝国や、それ以前の時代についてはなにも知らず、新鮮だった。 …

『言語・思考・現実』ウォーフ

言語学の古典らしき本。今は別の説が主流であるという。 言語は思考そのものをかたちづくるものであり、大部分、言語にもとづいて人間の認識はつくられている。用いる言語によって、認識の仕方は多様であり、どれがもっとも正しいとか、進歩しているとかいう…

『絶対製造工場』チャペック

すばらしい動力機関が発明されるが、これは副産物として「絶対」を生み出してしまう。「絶対」にあてられた人間は、人間を超えた存在を知覚し、信仰をいだいてしまう。世界中にちらばった絶対が、あらゆる人間を狂信者に変質させ、世界終末戦争をおこす。 人…

『関東軍』島田俊彦

関東軍の誕生から終焉までをまとめた本で、関東軍研究の古典のようだ。関東軍の経緯についてはこれまでよく知らなかったので、参考になった。 日露戦争の終結によって日本は関東(山海関以東)を手にいれたが、財政難の状況においてこの土地は金のかかるやっ…

『紫苑物語』石川淳

「紫苑物語」、「八幡縁起」、「修羅」の3篇を集めた本。どの話も古代の日本とおぼしき場所を舞台にしていて、ひらがなが多い。ことばを注意ぶかくえらんでつくっているという印象をうけた。 「紫苑物語」……弓で人を殺すことにとりつかれた守の話で、ばけた…

『大いなる失敗』ズビグネフ・ブレジンスキー

カーター大統領の国家安全保障政策のブレインだった人物が、共産主義の顛末と、今後の展望について予測する。ソ連崩壊の直前に書かれたものだが、今後共産主義が衰退すること、ソ連が力を失うこと、中国が経済成長を続けていくことなどを的確に推理している…

『The European Miracle』E.L.Jones

超長期的な視野から、なぜヨーロッパがほかの地域に比べて発展を遂げたのかを考える本。著者がゲルナーの文を引用しているように、人類全体を眺めてみると、ヨーロッパ以外の地域の経済的変動が通常であって、ヨーロッパの発展速度が異常なのである。この特…

『法律を読む技術・学ぶ技術』吉田利宏

人に借りた本。 衆議院法制局出身の人が、法律の概要、リーガルマインドの養い方、条文の読み方等を説明する本。法律の目的を理解し、法律の考え方を身につけることが、理解につながり、また法律を扱うためのたすけにもなることがわかった。 法律とは国会を…

『愛しのグレンダ』コルタサル

全体的に文が読みづらくて、翻訳だけでなくたぶん、元のスペイン語も読みにくいんだろうとおもった。小説はいろいろと読んだつもりだが、それでも、話自体を追いかけるのが困難なくらい、状況を把握しにくい。 「猫の視線」……猫にたいする愛を語るような調子…

『ニクソン訪中機密会談録』毛里和子ほか

1972年、ニクソンと安全保障担当補佐官のキッシンジャー博士は、周恩来首相と会談する。 アメリカが、社会主義国である中国と国交を回復させようと試みた理由は、会談から察すると以下のとおり。米国はソ連との軍拡競争をおこなっており、お互いに軍事費…

『砂の都』マルセル・ブリヨン

探検家が中央アジアの砂漠に深入りし、砂嵐に巻き込まれる。岸壁に掘られた穴にひそむと、仏陀の顔と壁画が残されている。眼下には巨大な砂山が広がっていて、砂嵐によって徐々に削り取られていき、嵐が晴れたとき、砂のなかに埋もれていた都があらわれた。 …

『量子力学と私』朝永振一郎

日記、講演記録、量子力学についてのエッセイ等がおさめられている。 日記のなかで、朝永は自分の感情とつねにたたかっている。人がねたましい、自分が屑にみえる、まわりの人たちを、なんの目標もない市民とおもいながらも、そういう風に見下すのはまちがっ…